第3回 少しでも高く自宅を買ってもらうために~物件見学の受け方~

【データで読み解く 不動産の売買の極意】
本連載では、「人生の転機」をテーマに、その時に起こる住宅の購入や売却について、データを用いながら解説してまいります。

 

近畿圏における中古マンションの価格は、上昇しています。

近畿圏中古マンション成約状況の推移

■成約件数の推移 (件)

■成約㎡単価の推移 (万円/㎡)


(公益財団法人 近畿圏不動産流通機構「Real Time Eyes 」より作成)

しかし、上手く売却できる方とそうでない方がいるようです。ここでの上手くは、なるべく高く、そしてなるべくスムーズに、を指します。自宅の売却(中古戸建、中古マンション)で大きなポイントとなるのが、購入希望者による物件見学(内覧)時の対応です。(ここでは、現在住んでいる物件の売却を想定して話を進めます)

物件購入の流れの中で、まず初めに接点を持つのは不動産仲介会社の担当者の方です。購入を考えている方は、希望のエリア、金額、間取り、などを伝えます。そして、担当者から物件の選定を行い、物件の紹介をされます。このとき、希望要件が細かく、該当する物件が少ない場合は別ですが、たいていの場合、2~3物件を候補として勧められます。そして、それらを実際に見に行くこととなります。そのアポイント設定などは、担当者が行います。

売却する場合は、不動産仲介会社に査定を依頼し、売却希望額を伝えて、募集金額を決めます。そして、担当者からの「購入希望者がいます。」という連絡を待ちます。

 

ここまでの一連の流れは、購入者⇔担当者、所有者(売却希望者)⇔担当者 となります。(ここでの担当者は同じ場合もありますし、別会社の場合もあります。)
つまり、ここまでは、対不動産仲介会社とのやり取りになります。

しかし、物件見学では、大きく様相が変わります。
新築物件の場合は、売主である不動産会社が物件の説明を行いますが、中古物件の場合、物件の細かい説明は不動産仲介会社の担当者が行うことはあまりありません。実際に使っている(住んでいる)売却希望する側の持ち主が説明することになります。そのため、この説明の仕方で、売却可能性や売却価格に差が生まれます。

家の中をくまなく案内し丁寧に説明する方もいれば、あまり説明をせず、「ゆっくり見て、なんでも聞いてください」と受け身な方もいます。
先日、購入を検討している方から、見学の同行を依頼され、2つ物件(ともに一戸建て)を見に行きました。 その様子から、ポイントとなる事をお伝えします。

物件見学の際のポイントについて

1軒目のお宅は、ご夫婦で対応してくださいました。ある程度、きれいに片づけて、見学者を迎えている様子が伺えました(片づけてお迎えするのは絶対条件です)。家の中での案内、(室内の説明、水回りの説明など)は奥様が行いました。案内時には、使っていない部屋の雨戸やカーテンもすべて開けられており、光が射しているのが好印象でした。
そして駐車場や家の外回りの説明は御主人様が行い、自らがこの物件を約15年前に買った時のエピソードや、どこが気に入って購入したのかを話していました。また、戸建て物件では一番気になる近隣住居の方々についても、お話をされていました。その際に「この物件を手放すのは、子供が巣立ってライフスタイルが変化したから仕方がないけど、両隣の方とお別れするのは辛いな」としみじみ話されており、いい住環境であったことを想像させました。

2軒目のお宅は、ご主人様おひとりの対応でした。大変立派なお家でしたが、室内は、あまり片づけられているとは言えない状況でした。しかし、室内を丁寧に案内していただき、注文住宅で建てられた自宅に対する熱い思い(これ重要です)を聞きました。

ただ、片付いていないことと、テープなどで応急処置的な修繕をしている点は気になりました。自慢のお家ですが、売却することが決まっているためでしょうか、このような修繕はマイナスのポイントとしか映りませんでした。やはり、購入する側は、丁寧に使っているという所は伺い知りたいところだと思います。

結果的に1軒目のお家を購入することになりました。どちらもいい物件でしたが、「1軒目の方がリフォームするイメージが付きやすかった」ということを購入者は指摘しています。
 戸建て住宅の場合、築年数が浅い物件は別ですが、ほとんどの場合なんらかのリフォームをして新たな購入者は住むことになります。多くの場合は、かなり大掛かりなリフォームを行います。ちなみに、この購入者は2度目の訪問時にはリフォーム会社の方を同行させて物件見学を行っています。

こう考えると、リフォームした後のイメージが付くか?は大きなポイントとなってきます。そのためにも、本文中の太文字の内容が重要と言えるでしょう。

この記事を書いた人

吉崎 誠二 不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産研究所 理事長

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了
立教大学大学院 博士前期課程修了

株式会社船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate
ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者 等を経て 現職。
不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。

公式サイト http://yoshizakiseiji.com/
社団法人 住宅・不動産総合研究所 http://www.hr-i.jp/

不動産エコノミスト 吉崎 誠二

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