第11回 中古戸建住宅を購入する時に気を付ける3つのこと

兵庫県の中古戸建住宅成約件数は上昇基調

兵庫県における中古戸建の成約件数は、以下のとおりです。年毎に月平均値をとると、2013年253件、2014年241件、2015年254件、2016年275件、2017年(9月時点)268年と徐々に契約件数は上昇していることが分かります。住宅価格が上昇を続ける中、新築よりも比較的低価格で手に入る、中古住宅に注目が集まっているようです。今回は、中古戸建購入において注意すべき点をみていきます。

兵庫県 中古戸建成約件数推移(月次)

((社)近畿圏不動産流通機構「リアル・タイム・アイズ」より作成)
 

ホームインスペクションで安心できる取引を

 中古住宅の場合、契約前に契約書や重要事項説明書を確認するのはもちろんですが、その他に「付帯設備および物件状況確認書」を事前にもらって物件の状態をしっかりと確認しおくようにしましょう。当該確認書に記載されている付帯設備及び物件の状況に関しては、買主が承知している上で売買契約を締結、購入していると解釈されますので、売買契約成立後、売主へ瑕疵担保責任を求めることはできません。

また、売主が気づいていない建物の不具合や著しい劣化などは、この物件状況確認書でも買主へ説明されません。仮に売主が気づいていない建物の不具合等を買主が気づいたとしても、瑕疵担保責任を請求できる期間を超えている場合には、損害賠償等を求めることが出来ません。

上記の問題を解消するために、第三者検査である「ホームインスペクション」を実施しておくとよいでしょう。ホームインスペクション(建物状況調査)とは、住宅に関して専門的知識を有するホームインスペクター(住宅診断士)が、第三者的な立場から、住宅の劣化状況、欠陥の有無を確認し、改修の必要のある箇所や改修時期、おおよその費用などを見きわめ、アドバイスを行なう専門業務を指します。ホームインスペクションは、2018年4月から中古住宅取引の際に、実施状況の説明が宅建業者の義務となることになっています。具体的内容は、以下の通りです。

① 媒介契約において建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項を記載した書面の交付

② 買主等に対して建物状況調査の結果の概要等を重要事項として説明

③ 売買等の契約の成立時に建物の状況等について当事者の双方が確認した事項を記載した書面の交付

つまり、ホームインスペクションを実施することが義務となるのではなく、媒介契約時、売買契約前の重要事項説明時などにおいて、当該建物がホームインスペクションを過去に受けたことがあるか否か、当該建物について実施するのかを説明することを義務化するものです。
 

住宅ローン控除が使えない?!

住宅ローン控除とは、住宅ローンを借りて家を取得すると、各年末ローン残高の1%が10年にわたり所得税から控除される制度ですが、この大きなメリットを享受するためにはいくつかの条件が必要となります。中でも中古住宅に関して重要なのは、床面積が50㎡以上で築20年(マンションなど耐火建築物は築25年)以内が条件です。

しかし、平成17年4月以降、一定の要件を満たせば、築20年以上の中古住宅でも住宅ローン控除を受けることが出来ます。それは、「地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるもの (耐震基準)に適合する建物であること」です。具体的には、以下の通りとなります。

・その家屋の取得の日前2年以内に耐震基準適合証明書による証明のための家屋の調査が終了したもの

・その家屋の取得の日前2年以内に住宅性能評価書により耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)に係る評価が等級1、等級2又は等級3であると評価されたもの

・既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約が締結されているもの(住宅瑕疵担保責任法人が引受けを行う一定の保険契約であって、その家屋の取得の日前2年以内に締結したもの」)

なお、上記要件に当てはまらない建物であっても、その家屋の取得の日までに耐震改修を行うことについて申請をし、かつ、居住の日までにその耐震改修により家屋が耐震基準に適合することにつき証明がされたもの(平成26年4月1日以後に取得し、居住の用に供した場合に限る。)も、住宅ローン控除を受けることが出来ます。
 

思った以上に短期間での返済を求められる?

 ローンを利用するには、住宅の担保価値が考慮されます。

ローンを組む際、建物に抵当権が設定されます。すなわち、返済が出来なくなったときに備えて、金融機関(ローン債権者)は建物を担保にとるのですが、住宅そのものの価値がなければ、金融機関にとっては全く意味をなしません。

中古住宅の場合、担保価値を把握するのに建物の耐久性が考慮されるところ、築年数が古く、建物の耐久性が小さい場合には借入期間が短くなる可能性があります。3000万円を借りた場合、例えば固定金利1.81%で35年で借りた場合は月々 96,478円の支払いですみますが、これが25年になると124,399円と毎月の負担も増えてしまいます。事前に、金融機関に当該中古住宅で利用できる返済年数をしっかりと確認しておきましょう。
 

物件探しよりも仲介業者探しが重要

 以上を見ますと、中古戸建住宅を購入する際には、検討・留意すべき事項が多数あります。そのひとつひとつをご自身で調べることは困難で、時間もかかり、気になっていた物件が他の人に成約されてしまうという事態にもなりかねません。

こうした事態を解消するには、気になる点があれば何でも相談し、また、上記事項についてもしっかりとアドバイスしてくれるような信頼できるパートナー(宅建業者)に出会えることが、いい物件を失敗せずに購入できる近道と言えます。

この記事を書いた人

吉崎 誠二 不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産研究所 理事長

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了
立教大学大学院 博士前期課程修了

株式会社船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate
ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者 等を経て 現職。
不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。

公式サイト http://yoshizakiseiji.com/
社団法人 住宅・不動産総合研究所 http://www.hr-i.jp/

不動産エコノミスト 吉崎 誠二

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